石州半紙がユネスコ無形文化遺産に登録の理由は?原料や製法は?
2019/04/30 SNS拡散レベル 1 76 views
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化財に提案している「和紙技術」について、登録される可能性が高くなりました。
現在、「石州半紙(石州和紙)」が無形文化遺産として登録されていますが、今回はそれに加えて「本美濃紙」「細川紙」の計3種が「日本の手漉き和紙技術」として登録され、今回は、その3種の中でも島根県の「石州半紙」について詳しく調べてみました。
素晴らしい日本の伝統文化について、正式登録前に、しっかり理解しておきたいですね!
和紙が世界無形文化遺産に登録された理由は?
日本の和紙技術は、その美しさと繊細さから国内外で高い評価を受けていました。
その地域性を活かした様々な和紙がありますが、先駆けて2009年に石州半紙が単独で登録されていました。
政府の方針として、国内で重要無形文化財や重要無形民俗文化財に登録されているものを順次世界遺産に推薦する方向でしたが、現在は、同じ分野での複数登録が難しくなっています。
そのため、すでに登録されていた石州半紙の範囲を広げての登録を狙っておりその結果、今回和紙技術として日本の伝統和紙技術そのものが登録されたのです。
石州半紙の原料や特徴は?
和紙の原料は、楮(こうぞ)です。
石州半紙もこうぞが使われていますが、その特徴は地元のものを使うことで、最後のスク段階ではトロロアオイがネリとして使われています。
水質もよく、楮も良質なので、和紙の原料そのものが素晴らしいのが特徴です。
弾力性がありながらも、肌触りが柔らかで、習字半紙に使われるほどの艶も持ち合わせており、日本の紙の中で、最も強靭な紙質なのだとか。
長期保存に長けているので、石州和紙を用いて、地元の小学生は自分の卒業証書を漉いたりもするそうです。
単に高級な和紙だけでなく、地元の人に古くから親しまれた紙なのです。
石州半紙の製法の歴史は?
石州半紙の歴史は古く、すでに8世紀初頭には歌人「柿本人麻呂」によって紙漉きが伝えられていたようです。
そして、江戸時代にはここで「半紙」という企画が生まれ、大坂商人の帳簿用紙として使われ、広まりました。
削皮→煮熟→ちり取り→打解→抄造→乾燥→選別といった、たくさんの工程を経て、製造されています。
【動画】かわひら(石州半紙・和紙製造販売)伝統的工芸品「石州和紙」製造風景
また、この製造技術を持つ職人は、年々減っており、石州半紙技術者会に登録している職人は現在4名。
しかし、この技術者会の奮闘により、伝統技術の保存や伝承が続けられています。
これを期に、和紙を始めとする日本の伝統技術を、改めて見直したいですね。
記事POINT!
・水質もよく、楮も良質なので、和紙の原料そのものが素晴らしく、弾力性がありながらも、肌触りが柔らかで、習字半紙に使われるほどの艶も持ち合わせており、日本の紙の中で、最も強靭な紙質
・8世紀初頭には歌人「柿本人麻呂」によって紙漉きが伝えられていた
・江戸時代にはここで「半紙」という企画が生まれ、大坂商人の帳簿用紙として使われ、広まった
・製造技術を持つ職人は、年々減っており、石州半紙技術者会に登録している職人は現在4名しかいない
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