藤崎翔(元芸人セーフティ番頭)が神様のもう一つの顔で横溝正史ミステリ大賞受賞
2014/10/17 SNS拡散レベル 3 671 views
元お笑い芸人の藤崎翔(28)が第34回横溝正史ミステリー大賞を受賞した。
横溝正史ミステリー大賞は「らせん」や「りんぐ」を書いた鈴木光司がおしくも最終選考で賞を逃すといったミステリー分野では非常に格調高き文学賞なのである。
藤崎翔のプロフィール
藤崎翔は1985年10月9日生まれの茨城県出身。
2004年6月に「セーフティ番頭」というコンビを結成し、ボケを担当。
その後2010年4月に解散。
私も『セーフティ番頭』をオンバトで見た事があるが、ネタのレベルは高く、個人的にはすごく面白かった事を覚えている。
しかし、オンバトでは殆ど勝てていなかったので、大衆には受け入れられにくかったのだろう。
作品名は「神様のもう一つの顔」のあらすじ
藤崎の作品は「神様のもう一つの顔」という題名で、一老人の通夜における話だ。
生前、ボランティア活動などで立派な故人を偲んでいたが、実は生前の故人の周りにいろいろな物騒な事件が起こっていたことも分かり、もう一つの顔が見えてくるというストーリーだ。
この作品は9月に単行本化されるそうで、ベストセラーや映画化や舞台にもなる可能性がある本である。
藤崎は芸人を辞めてからアルバイトをしながらコツコツ書き溜め、それが一冊の本となった。
不安と闘う己の強さ
毎年、芸人を志したものが何人くらい夢破れて去っていくのだろう。
そして去って行った芸人達は、今何をしているのだろう。
藤崎は賞を獲得したが、それで食っていけるかどうかは彼の才能を世間が賞賛するまでは分からない中、今までその不安とよく戦えたものだと思う。
親や周りからは何とも言われなかったのであろうか?
賞金は400万円ということであるが、問題なのはこれからだ。
過去の芸人で売れた作品達
芸人が出した本で売れたのは最近では、田村裕(麒麟)の「ホームレス中学生」や島田洋七の佐賀の「がばいばあちゃん」などがあるが、藤崎のフィクションとは少し違う感じがする。
もしかして、読書芸人ピースの又吉直樹のように、作家芸人として新しいジャンルの芸人として復帰してくるかもしれない。
芸人ではないが、多才な才能を持つ水嶋ヒロも数年前、処女小説『KAGEROU』でポプラ社小説文学賞を受賞した。
水嶋の場合、本名で応募をしており、主催者側が本人に会いにいった時に初めて水嶋だと分かったんだそうである。
水嶋の場合、事務所を退職してから受賞まで一年もかかっていないが、賞金2000万円はなんと辞退を申し出たという。
いずれにせよ、藤崎にいい形でこれから何度でも、世間をにぎわしてほしいと思っている。