細川紙がユネスコ無形文化遺産に登録の理由は?原料や製法は?
2019/04/25 SNS拡散レベル 1 111 views
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に提案している「和紙技術」の、埼玉県小川市の「細川紙」が登録される可能性が高くなりました!
無形文化遺産といえば、昨年「和食」が登録されてちょっとしたブームになりましたが世界にも、日本の食文化が広まっています。
まだ本決定ではなく、実際には来月開催される会議にて登録が決定するのですが、これまでの例を見てもほぼ登録は間違いないそうです。
優れた日本文化として、今後ますます注目が集まるであろう和紙。
登録される和紙は、「石州半紙」「細川紙」「本美濃紙」の3種類で、今回登録される3種の和紙の中の1つ、「細川紙」について詳しく調べてみました。
和紙がユネスコ無形文化遺産に登録された理由は?
和紙としては、すでに「石州半紙」が無形文化遺産に登録されていました。
→石州半紙がユネスコ無形文化遺産に登録の理由は?原料や製法は?
同じ分野で複数の文化遺産登録が難しくなっているため、「石州半紙」の範囲を広げる形で、今回日本の和紙技術が無形文化遺産に選ばれることになりました。
これらの和紙技術は、いずれも保存教会などが技術の保存と継承に力を入れていることも評価の一因です。
細川紙の原料や特徴は?
細川紙を始め、日本の和紙の原料は楮(こうぞ)で、紙を漉く際に、「ねり」(つなぎのようなもの)として、トロロアオイも用います。
非常に極めが細かく、毛羽立ちにくいのが特長の紙で、障子紙としてだけでなく、商家の大福帳や、こいのぼりなどの材料として江戸時代から広く愛されてきました。
年数がたっても劣化しにくいため、古文書や美術品の修復に使う材料として、海外からも注目が集まっています。
細川紙の歴史や製法は?
細川紙は、埼玉県の小川町と東秩父村で作られており、元々の起源は和歌山県で作られていた「細川奉書」で、これを江戸時代の紙問屋が小川町と東秩父村に発注して作られるようになりました。
原料を熱し、チリを取って手打ちして繊維を取り出し、漉き、乾燥させるという工程を経て、細川紙は製造されます。
【動画】「細川紙を訪ねて~小川町編~」
高い技術によって作られる質の高い和紙ですが、現在も手漉きを続けている職人は8人にまで減少しています。
ただ、今回和紙として登録される石州半紙、本美濃紙、細川紙のうち、細川紙だけが首都圏に工房を構えており、そのため実際に見学に来る観光客も増えています。
観光客への対応と、後進育成。
文化遺産に登録されるからこそ、この優れた技術を後世に受け継ぐ大きな課題にこれから取り組んで行くことになります。
和紙を始めとして、日本の伝統文化をしっかり守っていきたいですよね。
記事POINT!
・非常に極めが細かく、毛羽立ちにくいのが特長の紙で、障子紙としてだけでなく、商家の大福帳や、こいのぼりなどの材料として江戸時代から広く愛されてきた。
・年数がたっても劣化しにくいため、古文書や美術品の修復に使う材料として、海外からも注目が集まっている
・埼玉県の小川町と東秩父村で作られており、元々の起源は和歌山県で作られていた「細川奉書」で、これを江戸時代の紙問屋が小川町と東秩父村に発注して作られるようになった
・今回和紙として登録される石州半紙、本美濃紙、細川紙のうち、細川紙だけが首都圏に工房を構えており、そのため実際に見学に来る観光客も増えている
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