本美濃紙がユネスコ無形文化遺産に登録の理由は?原料や製法は?
2019/05/05 SNS拡散レベル 1 294 views
こんにちは!orzです。
嬉しい事にまたひとつ、日本の伝統文化が世界に認められました。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に提案している「和紙技術」について、岐阜の美濃和紙「本美濃紙」が登録される可能性が高くなったのです。
まだ本決定ではなく、実際には来月開催される会議にて登録が決定するのですが、これまでの例を見てもほぼ登録は間違いないそうです。
無形文化遺産といえば、昨年「和食」が登録されて国内だけでなく、国外でも和食を見直す動きが多くなり、ちょっとしたブームになりましたが、優れた日本文化として、今後ますます注目が集まるであろう和紙。登録される和紙は、「石州半紙」「細川紙」「本美濃紙」の3種類です。
今回登録される3種の和紙の中の1つ、「本美濃紙」について詳しく調べてみました。
和紙がユネスコ無形文化遺産に登録された理由は?
和紙としては、すでに「石州半紙」が無形文化遺産に登録されていました。
→石州半紙がユネスコ無形文化遺産に登録の理由は?原料や製法は?
政府が、より多くの日本の技術を登録するために「石州半紙」の範囲を広げる形で、今回日本の和紙技術が無形文化遺産に選ばれることになりました。
これらの和紙技術は、いずれも保存教会などが技術の保存と継承に力を入れていることも評価の一因です。
本美濃紙の原料や特徴は?
本美濃紙を始め、日本の和紙の原料は楮(こうぞ)で、紙を漉く際に、「ねり」(つなぎのようなもの)として、トロロアオイも用います。
本美濃紙は、真っ白で美しく、更に柔らかさと強さを兼ね備えています。
本美濃紙は「書院紙」ともいわれ、高級な障子紙として有名で、その質の高さから、京都迎賓館の廻廊などの障子紙や、照明器具としても使われているほどです。
本美濃紙の歴史や製法は?
岐阜県美濃市で古くから製造されていた和紙で、正倉院に残る戸籍用紙にも使われていました。
この戸籍用紙は、日本最古の紙で、702年の大宝律令の際に漉かれた和紙だと言われています。
1,300年の時を経てなお、くちるくこと無く美しさをたたえていることに、これまたビックリです。
江戸時代には、「美濃判」として障子の規格ともなり、幕府御用の紙として愛されました。
原料を熱し、塵を取って手打ちして繊維を取り出し、漉き、乾燥させてつくり上げる本美濃紙。日光によって紙が自然漂白されるそうです。
【動画】美濃市 「澤村正工房」 ~紙漉き(かみすき)~
伝統的な本美濃紙の職人は年々少なくなり、本美濃紙保存会を結成して技術の継承に取り組んでいおり、様々な技術が発展する中、この会員のみが本美濃紙を漉くことができ、その美しさを現代に伝えてくれています。
今回の無形文化財登録を期に、日本の伝統技術をしっかり見直していきたいですね。
記事POINT!
・日本の和紙の原料は楮(こうぞ)で、紙を漉く際に、「ねり」(つなぎのようなもの)として、トロロアオイも用い、本美濃紙は、真っ白で美しく、更に柔らかさと強さを兼ね備えている。
・本美濃紙は、真っ白で美しく、更に柔らかさと強さを兼ね備えている。
・「書院紙」ともいわれ、高級な障子紙として有名で、その質の高さから、京都迎賓館の廻廊などの障子紙や、照明器具としても使われている。
・江戸時代には、「美濃判」として障子の規格ともなり、幕府御用の紙として愛された
・塵を取って手打ちして繊維を取り出し、漉き、乾燥させ、日光によって紙が自然漂白される
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