ど忘れには遺伝子が関係?改善できるのか、そのメカニズムにせまる!
2014/10/16 SNS拡散レベル 3 238 views
ど忘れするというのは、誰でもあることだ。
自分の置いた鍵がどこにいったかわからなくなったり、財布がどこかにいってしまったり、現代では携帯をどこに置いたかわからなくなるという事もよくあるだろう。
しかし、こういうのは度が過ぎると溜まったものではない。
探し物のために時間がかかって、バスや電車に乗り遅れるという事も起きてしまい、学校や仕事にも遅れてしまう。
どこに置いたかぐらい覚えておけと思う人もいるだろうが、そんな事ができたら元々苦労していないし、彼らだって困っているのだ。
原因は注意力の欠如
ど忘れの原因となっているのが、注意力の欠如だ。
自分の行動や聞いている事に集中できていないため、記憶することができないのである。
注意力の散漫というやつで、鍵の置き場所の他にも人の名前が覚えられないのもこれに関係しているという。
世の中には、こういったど忘れをよくしてしまう人もいれば、あまりしない人々もいる。
言い換えれば、注意力が散漫になっている人と、そうでない人がいるという事だ。
彼らを分けるのは一体何なのか、新しい研究によって、遺伝子が関係しているという事が明らかになった。
DRD2遺伝子がカギを握る
ど忘れに関係している遺伝子というのがあり、それが【DRD2】という遺伝子だ。
この遺伝子は、前頭葉における信号伝達において重要な役割を果たしており、この遺伝子が上手いこと信号伝達をコントロールしなければ、前頭葉の働きも崩れてしまうのである。
前頭葉は、自分の環境や状況を把握し、計画を立てて決定し、実行するというとても大切な役割を持っている。
いわば、自分の行動の司令塔でもあるということだ。
この前頭葉が上手く働いてくれないと、司令塔が混乱し、注意力が散漫になりやすいというわけだ。
シトシンとチミン
DRD2に含まれる遺伝子には、二つのバリエーションがあるという。
それが【シトシン】と【チミン】だ。
今回の研究によれば、DRD2の中にチミンを一つでも含んでいる人の方が、シトシンのみを持っている人よりも忘れっぽく、注意力が散漫になるという事がわかった。
つまり、チミンが含まれるDRD2は、前頭葉が十全に機能するように指令を出すことができないのである。
因みに、500人の被験者の中で、シトシンのみを持っていたのはおよそ4分の1のみ-つまり、およそ4分の3は最低でも1つのチミンを持っていたという事だ。
つまり、忘れっぽい人の方が多いという事なのだ。
残念ながら、この研究からはチミンの数と忘れっぽさの度合いはわかっていない。
もしかしたらチミンが多い方がより忘れっぽいかもしれないし、そうではないかもしれない。
生活習慣も見直す必要性がある
なんにせよ、この遺伝子のみがど忘れを引き起こしているという訳ではないという事だけは言っておかねばならない。
睡眠不足やストレス、栄養不足も注意力散漫を引き起こす原因だ。
自分の忘れっぽさを全て遺伝子のせいにして悲観的になるより、注意力を高める様に取り組んだ方がよい。
シトシンのみを持っている人の方が少数派で、彼らはラッキーなのである。
ラッキーなカードを持てなかった人は、そのカードで勝負する他ないのだ。